資本主義社会では,労働すなわち友愛である.

 

友愛,ってば,お互いに世話をし合うことです.資本主義社会では,それは結局,まずは資本のために奴隷となり労働し賃金を受け取り,それによって自分および家族を養うことによって実現されます.すなわち,資本主義社会では,友愛=労働,あるいは,友愛=自他のための「労・苦」,ということになります.

『創世記』に,「知恵の木の実」を食べて「善・悪」を知り,楽園を追放されて,その罰として「男は地において働くことに苦しみ,女は苦しみて子を産む」という下りがあります.これは,「働かずして食う」ことをその特権とする,当時のユダヤ教司祭階級の,白々しい作文なのですよ.「知恵あるイキモノ」であるヒトは,その労働によってはじめて,よきもの()すなわち友愛を実現することになる,という自然な事実の,その全くの裏返しです.ウェーバーの『古代ユダヤ教』を読んでいて,ようやくこのことに気づくことができました.

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