負の動力学的ハイパーサイクル・システム(悪循環)の発生を抑止・制御すること
食物連鎖というのは,「負の」ハイパーサイクル・システムの存在です.1次生産者が無際限に増えることができるなら,それは安定に存在することができるでしょう.しかし,「もし」1次生産者が急激に減少すれば,それは簡単に動的平衡性を失って崩壊します.負のハイパーサイクル・システムは,その存在の「リスク」が,きわめて大きいのです.
経済現象でいうなら,「恐慌」がそうです.この場合には過剰生産によって,商品が価値を急速に失うのです.すると,それを作るために消費される労働力商品が価値を失い,失業者が巷にあふれることになります.するとますます購買力が低下して,過剰生産によって倒産する企業が続出するでしょう.
負のハイパーサイクル・システムの存在の典型が「軍」です.それはヒトにとってのあらゆる価値を破壊します.そうした滅びへの道でしかない「軍」を統治可能にするためには,まず彼らを弱体化させなければなりますまい.その最もよい手段が,時間と金がかかるが,彼らに絶対戦争をさせないこと,「暇」にすることでしょう.そうすれば,彼らは必然的に腐敗するでしょう.まずタバコ,酒,そして女,それで金に困って,ワイロや公金に手を出すことになるでしょう.それをキチンと摘発することによって,軍は統治可能になるでしょう.
党も同じですよ.彼らを「暇」にさせるわけです.世間が豊かになれば,階級闘争は減ります.大衆煽動家,逆にいうと大衆弾圧屋(思想警察)として,彼らの活躍する余地は,もはや全くないようにすればよいのです.そうすれば,軍と同様に,彼らは腐敗していくだけでしょう.そして,その腐敗の兆候は,もう明らかでしょう.
もう一押しするためには,人びとに大衆支配の真実を知らしめ「完全な言論の自由」を与えること,でしょうね.「偉い人」はそれがわかっているから,ヤッキになって,思想警察,言論統制,世論操作をしようとする,すると,ことあるたびにボロが出るでしょう.
日本だって,内情は全く同じでしょう.旧内務官僚つまり警察は,弾圧すべき「幻の」階級闘争つまり「思想警察」という仕事を全く失ってしまって,暴力団狩りに専念するようになって,「暇」でしょうがなくなりました.そこでオキマリの腐敗が始まってしまっています.あとは御覧のとおり,交通警察,犯罪捜査しか残ってないのだが,それだって,冤罪事件,デッチあげ,で,「旧体質」は徹底的に暴かれてきました.
日本の「戦後民主主義」って,それこそ名ばかり(「自由・平等・友愛(労働)・平和」はただ憲法の名のみ)のことだったのじゃないか,と今は思えてならないのです.「実質的には」大政翼賛会上がりの保守の一党独裁で,「実質的には」税金を使って思想警察や言論統制や世論操作,が隠然公然と行われていたわけです.諸矛盾や諸悪行を隠蔽し糊塗し続けてきて60年間,その膿がたっぷり溜まっていました.そこへこの大地震・大津波です.もう膿は出し切るしかないだろう,と思います.